はじめに:トリートメント提案の成否は”見抜く力”で決まる
いくら高品質なトリートメントを使っても、
- 髪の現状を正確に診断できない
- ダメージの本質を読み違える と、適切な提案も施術設計もできず、満足度は上がりません。
つまり、美容師にとってダメージ診断力はトリートメント提案の出発点なのです。
この記事では、髪の”今”を的確に読み取るための ダメージ診断精度を高めるカウンセリング術を徹底解説します!
目次
1. なぜダメージ診断が重要なのか?
トリートメントは”現在地”を知らなければ設計できない
髪の状態を見極められないまま、
- 決まった流れ作業で施術する
- 無難な提案しかしない と、仕上がりも期待以下になりやすい。
▶️ 逆に、”今の状態”を正確に把握できれば、
- 適切な補修アプローチが選べる
- お客様に”納得”を生み出せる
- トリートメントメニュー単価も上げやすい
つまり、ダメージ診断力=提案力×信頼構築力に直結するのです。
2. 正確なダメージ診断に必要な視点とは?
【3大視点】
視点 | 見るべきポイント |
---|---|
触覚(手触り) | 引っかかり・硬さ・柔らかさ |
視覚(見た目) | ツヤ・毛羽立ち・うねり |
聞き取り(カウンセリング) | 履歴・ライフスタイル・自己ケア状況 |
これら3つを立体的に捉えることが、正確な診断の基本です。
【触覚チェック】
- 毛先を指で軽く滑らせる
- 引っかかりやザラつきがどこに出るか確認
- 根元〜毛先で手触りの変化を感じ取る
▶️ 内部損傷の度合いを感覚でキャッチ!
【視覚チェック】
- 自然光または白色光でツヤをチェック
- キューティクルの浮き(毛羽立ち)を観察
- クセの強さ・うねり具合も見る
▶️ 外部損傷のレベルを視覚的に判断!
【聞き取りカウンセリング】
- カラー・パーマ・縮毛矯正の履歴を詳しく聞く
- ホームケアの内容(シャンプー・ドライヤー習慣)を把握
- アイロン・コテの使用頻度も必ず確認
▶️ “今の状態”の原因を特定するヒントを得る!
3. カウンセリング時に必ず押さえたい質問例
質問 | 目的 |
---|---|
「前回カラーしたのはいつ頃ですか?」 | 履歴の把握 |
「普段どんなシャンプー・トリートメント使ってますか?」 | ホームケアレベル確認 |
「アイロンやコテはどのくらい使いますか?」 | 熱ダメージの有無把握 |
「普段、乾かすとき自然乾燥ですか?ドライヤー使いますか?」 | 乾燥ダメージリスク判断 |
▶️ 答えを聞くだけでなく、そこからダメージ要因を読み解く意識が大切!
4. ダメージ診断から導く施術設計の考え方
✔ 目に見える症状だけで判断しない
- パサついている→表面ケアだけ? → 違う!内部損傷+水分不足の可能性も視野に入れる
- うねりが強い→クセ毛? → 違う!ダメージによる構造変化の場合もある
▶️ 目の前の現象だけでなく、”内部構造”まで想像する思考を持つ!
✔ 髪の”強みと弱み”をセットで見る
- 【強み】ハリ・コシが残っているなら、ハード系ケラチン補強は少なめに
- 【弱み】水分不足が目立つなら、しっかり保湿系PPTをプラス
▶️ 強みを生かし、弱みを補う施術設計が信頼を生みます!
✔ “将来予測”まで意識した提案をする
- 今はギリギリまとまっている→でも乾燥進行すれば来月にはバサバサに?
- 夏は紫外線ダメージリスクが急上昇→今ケアして予防提案を!
▶️ 現在地+未来予測=本当に価値のある提案ができる!
5. ダメージ診断の精度を高めるために日々できること
✔ 手触りの”引き出し”を増やす
- サロンワーク中、意識して色々な髪を触る
- ダメージレベルごとに感触を記憶する
▶️ 手の感覚を育てることは、最大の武器になります!
✔ 自分の診断仮説を常に検証する
- 施術後の髪の反応を見る
- 予想と違ったらなぜかを考察する
▶️ 診断力は経験と検証の積み重ねで磨かれる!
まとめ:診断力を磨けば、提案も施術も変わる
髪の”今”を正確に読み取る力は、
- トリートメント提案の説得力
- 施術の設計精度
- お客様からの信頼
すべてに直結します。
感覚だけでなく、”見て・触れて・聞いて・想像する”診断を習慣化すれば、 あなたのカウンセリング力は確実にレベルアップするでしょう。
ダメージを見抜く力は、プロとしての最大の差別化ポイント。
明日からの1人1人のカウンセリングに、ぜひ今日の視点を活かしてみてください!