「結果が違う」と言われる施術へ。髪質改善トリートメントの本質
はじめに:なぜ“髪質改善”なのか?
トリートメントは、ただツヤを出すだけのものではありません。 今の時代、お客様が求めているのは「根本から変わったように感じる仕上がり」──いわゆる髪質改善です。
ところが、同じような言葉を使っていても、結果に差が出るのが現実。その違いは、“使うもの”ではなく、“使い方”と“組み立て方”にあります。
この記事では、表面的なトリートメントにとどまらず、構造からアプローチする施術設計の考え方を、美容師目線で紐解いていきます。
1. 髪質改善は「設計型トリートメント」から始まる
カラーやパーマ、日常の熱ダメージにより、毛髪内部は空洞化し、水分保持力や結合力が低下しています。
これを表面コートで誤魔化すのではなく、段階的に構造を整えていくのが“本質的な髪質改善”。
特に注目されているのが、
- アミノ酸やケラチンなどの複合タンパク質を使用し、
- 分子量の違う補修成分を段階的に浸透させ、
- 熱や架橋反応で髪の芯から補修・安定させる という、多層型アプローチです。
▶︎ いわば、”髪を素材から組み直す”ような感覚。
2. 工程ごとの役割を理解する=結果を設計すること
たとえば5工程のシステムトリートメントの場合、
工程 | 目的 | 補修の働き |
---|---|---|
STEP1:導入 | 髪を開き、浸透を促す | ベースコンディションを整える |
STEP2:内部補修 | 小さな成分で空洞にアプローチ | 髪の芯にハリと弾力を補充 |
STEP3:架橋 | 結合をサポート | 結果の持続力と強度を強化 |
STEP4:外部補修 | キューティクルを整える | 手触り・ツヤ感アップ |
STEP5:熱反応 | 成分を熱で定着 | 疎水性と滑らかさの仕上げ |
このように、それぞれの工程が連動して仕上がりの質を作り込むため、どこか1つを省くと結果も変わってきます。
また、髪質やダメージに応じて順番を入れ替えたり、工程を簡略化する設計の柔軟性も、美容師の腕の見せどころです。
3. なぜ「結果が違う」と言われるのか?
表面的な艶出しでは、その場の満足は得られても“変わった感”は残りません。 一方、構造的な補修を行うと:
- 乾かすだけでまとまる
- 湿気でも広がらない
- 指通りが滑らかに持続する
といった“日常の中で実感する変化”が得られます。
さらに、仕上がり直後だけでなく、 ▶︎ 「2週間後、まだ手触りが良い」と感じることで、 お客様の信頼やリピートにもつながっていくのです。
まとめ:技術ではなく、“構築”する発想を
髪質改善とは、1回のトリートメントで魔法のように変えるものではありません。
だからこそ、
- 髪の履歴と状態を正しく捉えるカウンセリング力
- 工程の意味を理解した施術設計力
- 継続的なケアにつなげる提案力
これらを土台に、素材としての髪を組み直す設計型トリートメントを提供することが、プロとしての差別化につながります。
“結果が違う”と言われる施術は、決して偶然ではなく、意図と組み立てによって生まれているのです。